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2006年 06月 22日
W杯ドイツ2006:6/19の結果 ウクライナ鬱憤を晴らす スペインは粘り強く逆転勝ち!!
<当日の結果>
【GROUP G】
● トーゴ 0 -- 2 スイス ○ at ドルトムント
得点者:フレイ1('16) バルネッタ1('88)       
警告・退場:サリフ(b) アバデヨール(b) ロマオ(b)
       フォーゲル(b) 

【GROUP H】
● サウジアラビア 0 -- 4 ウクライナ ○ at ハンブルグ
得点者:ルソル1('4) レブロフ1('36) シェフチェンコ1('46) カリニチェンコ1('88)      
警告・退場:アル・ドサリ(b) アルガムディ(b) ハリリ(b)
       ネスマチニー(b) カリニチェンコ(b) スヴィデルスキ(b)  

○ スペイン 3 -- 1 チュニジア ● at シュトゥットガルト
得点者:ラウール1('71) フェルナンド・トーレス2,3('76)('90)
     ムナリ1('8) 
警告・退場:プジョル(b) セスク(b)
       アヤリ(b) トラベルシ(b) ジャイディ(b) グマンジャ(b) ジャジリ(b) ムナリ(b) 
**スペインの決勝トーナメント進出が決定!!       

       
<星取表>
【グループG】
             勝     負     分    勝点    得点    失点    得失点差
 スイス        1      0      1     4      2      0        2
 韓国         1      0      1     4      3      2        1
 フランス       0      0      2     2      1      1        0 
▼トーゴ        0      2      0     0      1      4        -3

【グループH】
             勝     負     分    勝点    得点    失点    得失点差
◎スペイン      2      0      0     6      7      1        6
 ウクライナ     1      1      0     3      4      4        0
 チュニジア     0      1      1     1      3      5        -2 
 サウジアラビア  0      1      1     1      2      6        -4


 大会11日目。これでグループステージ2戦目の全日程が終了。明日から、同時刻開催のグループステージ3試合目に入る。

 グループGのスイスvsトーゴ。トーゴは監督の交代問題などで満足に練習が組めておらず、やはり厳しかった。トーゴは敗退が決定。
 しかし第1戦でも少し触れたが、スイスは思った以上にいいチームかもしれない。SBのデゲンの攻め上がりや、MFバルネッタのテクニック(今試合1ゴール1アシスト)、そしてフレイの決定力。決して派手な選手がいるわけではないが、中堅どころがしっかりまとまっているスイスに、サプライズを起こさせる可能性はあるかもしれない。トーゴは、個人技でスイスを崩そうとしたが、アデバヨールが中盤まで下がってくるほど攻撃の組み立てがちぐはぐで、得点の匂いは殆ど感じられなかった。スイスは次戦、決勝トーナメントをかけて韓国との大一番を控える。この試合も見逃せない。

 グループHのウクライナvsサウジアラビア。第1戦で、チュニジア相手に意地を見せたサウジアラビアに八百屋は少し期待していたが、残念ながら順当とも、完敗とも言える結果でサウシは敗れた。
 ウクライナはセットプレーや2度と狙えないようなロングシュートで4得点。シェフチェンコもW杯の舞台で初得点を挙げている。ウクライナの収穫はカリニチェンコだろう。本日は攻撃のお膳立てに随所に顔を出し、ウクライナの単調な攻撃に花を添えている。
 しかし、厳しい見方をすればウクライナの攻撃力に限界が見えた気がした。常に引き気味で消極的なサウジ相手に、ウクライナも引き気味に試合。積極的にゲームを支配するそぶりすら見せなかった。彼らのプレースタイルなのかもしれないが、残念ながら彼らのプレースタイルで得点できたシーンは0。決勝Tでも厳しい戦いが予想される。シェヴァが本調子とはいえないウクライナ。彼らのトーナメントでの躍進には、ちょっとした運の要素が必要かも知れない。

 八百屋がまたしてもいい意味でびっくりしたのがスペインvsチュニジア戦。第1戦でウクライナに圧倒的な強さを見せたスペインが第2戦では粘り強さを見せた。この強さはホンモノかもしれない。
 アラゴネスは、ここで4-3-3のシステムをチャレンジ。しかし、なれない4-3-3に選手は戸惑い気味。リーガ・エスパニョーラで25得点を叩いたビジャが左ウイングなど常識で考えれば暴挙の起用に、ビジャも動きに精彩が無い。(注:ただし、ビジャは過去に左ウイングの経験あり)
 そんなスペインのボールをキープするも出しどころに四苦八苦しているミスをチュニジアがしっかりモノにする。中盤のパスミスを、チュニジアが掻っ攫い、少ない手数でスペインゴールを強襲。チュニジアの「隠し兵器」ムナリがゴールを決め、まさかのチュニジア先制!!プジョルもカシージャスもこれにはどうすることも出来なかった。
 そしてこの1点をチュニジアががっちりと守る。そこには元フランス代表監督、ルメールの組織的な守備が無失点に貢献していたことは言うまでも無い。
 いつもなら、ここでスペインがグタグダになってしまい、国際舞台での弱さを見せ付けることになるかと思ったが、今年のスペインはそこが違う。後半、アラゴネスはシステムを修正。ラウール、セスク、そしてW杯初出場のホアキンを投入し、システムを4-4-2に修正。ビジャを下げてホアキン投入と言う一見するとギャンブルにも見えるこの采配は見事に実を結ぶことになる。
 システムの変更で息を吹き返したスペインだったが、チュニジアの守備もしぶとく、ひょっとすると…の雰囲気が漂い始めた後半26分、ついにラウールが反撃の口火を切る。ゴール前のこぼれ球を「右足」で合わせてついに同点!!得点の嗅覚に優れたらラウールらしさが見て取れたプレーだった。
 その後は、中盤からのセスクのロングスルーパスにトーレスが反応。落ち着いて決めてスペインが逆転!!終了間際にはPKも獲得し、これもトーレスが決めてスペインが終わってみれば3得点。初戦の華やかな強さとは対照的な粘り強さを見せてスペインが2勝してグループリーグ勝ち抜けを決めた!!
 トーレスはこの試合も2得点で合計3得点。得点王が見えてくる活躍だった。
 

<八百屋のひとりごつ W杯ver.>
15.スペインの躍進はアラゴネス次第 
 W杯本大会が始まって、大きく株を上げたチームが存在する。それはアルゼンチンとスペインだろう。
 特にこのスペイン。毎回優勝候補に推されながら、大舞台での弱さを露呈していつもファンの期待を裏切り続けていた。今回も陣容では優勝候補といわれつつ、心のどこかで「でもどうせ何処かで躓いて消えるんだろう」という否定的なメディアの見解も少なくなかった。
 しかし蓋を開けてみれば大躍進。前にも述べたように、豪快な強さと粘り強さの両面を見せたスペインは、大舞台において一皮も二皮もむけた感がある。
 しかし、決勝トーナメントでスペインが決勝まで駒を進めるためには、おそらくW杯出場32カ国で「煮え切らない監督」アンケートのベスト3にランクされるであろう、アラゴネスの起用法が鍵を握っている。
 
 まず、現在の主流である4-3-3をどうしても起用したい場合は、トップはビジャかトーレスを据え、ウイングは、ルイス・ガルシア、ホアキン、レジェスのいずれかから選択する必要がある。少なくとも、左ウイングにビジャを起用するようなミスマッチはしてはならないし、まして4-3-3に固執するならラウールの起用は諦めるしかない。彼には4-3-3に見合うポジションが無い。
 特に左のレジェスはアーセナルでも主戦場となるポジション。1トップのビジャやトーレスを助ける大きな役割を担ってくれるだろう。右のホアキンのコンディションが上がれば4-3-3は充分に機能するといっていいだろう。
 しかしそれ以上にスペインに相応しいのは4-4-2(4-3-1-2)だろう。
 特に、中盤に有能な3センターハーフを配し、トップ下にはルイス・ガルシア(どうしてもアラゴネスが使いたいならラウールでも可)、2トップには若くて有能なビジャとトーレスの2人を惜しげもなく配置できる、まさに理想の陣容だ。ただ、4-3-1-2の最大の問題点は、もっぱら両翼の上がりはサイドバックにゆだねられることになるため、ペルニアやセルヒオ・ラモスには今以上に攻撃参加してもらう必要は出てくるだろう。
 八百屋が考える理想の4-4-2は、前半は、ルイス・ガルシアとセスクに存分に暴れまわってもらう。この2人の2列目からの飛び出しは、相手守備陣も捕まえるのが容易でないだろう。ただでさえ、ビジャとトーレスのケアに神経を裂かなければならないのにこの二人が更に後ろから飛び込んでくれば、相手国は防戦一方になるはずだ。そして、とどめはペルニアとセルヒオ・ラモスの攻め上がり。特にペルニアにはヘタフェで見せてくれているようなシュートらも絡んでもらいたい。前半で出来れば1点、良ければ2点取ってもらいたい。
 後半は前半暴れた、ルイス・ガルシアとセスクに替えてレジェス・ラウール・ホアキンの2名を配置したい。レジェスorホアキンでカウンター体制を作りながら、ラウールの得点センスでカウンターに花を添える。ハマればスペインは上位に顔を覗かせてくれると思う。
 しかし全てはこれだけのタレントを適材適所に配することが出来るかどうかのアラゴネス次第。スペインの躍進はアラゴネスの「間違いのないシステム構築」が絶対条件。ややもすれば、チュニジアのように綻びをカウンターで突かれて後は守られる…そんな試合が出てしまうかもしれない。G組ではスイス・韓国と当たるとそんな危険な香りも漂わなくは無いが…
 

by 5aday | 2006-06-22 21:20 | FIFA Worldcup 2006


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