2006年 07月 03日
W杯ドイツ2006:7/1の結果 イングランド8年前の悲劇再び サッカー王国、ジダンとアンリの1発に沈む
<当日の結果>
【ベスト8 第3試合】
● イングランド 0(PK1 -- 3)0 ポルトガル ○ at ゲルゼンキルヘン  
得点者:         
警告・退場:テリー(b) ルーニー(s) ハーグリーブス(b) 
       ペティート(b) カルバーリョ(b) 


【ベスト8 第4試合】
● ブラジル 0 -- 1 フランス ○ at フランクフルト 
得点者:アンリ3('57)
警告・退場:カフー(b) ジュアン(b) ロナウド(b) ルッシオ(b)
       サニョル(b) サハ(b) テュラム(b)


 ベスト8も終了。意外なベスト4の顔ぶれに八百屋愕然。って言うか全部外しているし(-_-;)
 果たしてどうなってしまったのか!?波乱のベスト8を振り返りたい。


 第3試合のインクランドvsポルトガル。八百屋イチオシのイングランドの試合とあって、気合の入る観戦となった。手負いのポルトガルなんぞに負けてたまるか…見る前までは鼻息荒かったんだけど…(^^ゞ

 イングランドは本日も4-1-4-1。しかし、右サイドのG・ネビルが戻ってきたことで、1ボランチには本職のハーグリーブスが入った。現状の駒を考えれば、これがベストの布陣だろう。後半の布石として、2トップにするならクラウチを入れればいいし、守りを固めるならキャラガーを入れればいい。選択肢は少ないがイングランドとしては筋が1本通っている感じだ。
 一方のポルトガル。デコとコスティーニャがサスペンションで、代役について多くの議論が交わされたが、結局コスティーニャにはペティート、デコのポジションにはそのままチアゴが入り、フィーゴの真ん中とシモンの起用は見送られた。
 いよいよユーロ04の因縁の試合の幕が切って落とされた。
 ポルトガルはC・ロナウドが好調だ。怪我の影響も感じさせない、相手に突っかけながら圧倒的なスピードで抜き去ろうとする破壊的なドリブルは、プレミアのときよりも更に切れ味がました感がある。まさに、ポルトガルのエース、絶好調だ。また、マニシェ・ペティートのWボランチも今回は攻め上がりを自重。ランパードやジェラードの攻め上がりのケアと、ペナルティエリア前のバイタルエリアのスペースにも気を配り、イングランドの持ち味を消していた。
 イングランドは、ポルトガルの両サイドの攻撃を必至で封じるのが精一杯。ベッカムのコーナーキックやフリーキックの見せ場がいいところで、大きな決定機は無かった。
 行き詰る戦いは後半戦へ。しかし徐々にイングランドの歯車が狂い始める。
 後半7分。突如イングランドベンチが動く。
 ベッカムout レノンin。
 エリクソンは思い切った勝負をかけたのかと思った。しかし、内情はベッカムが怪我を押しての出場。90分を通してのパフォーマンスは無理だったのだ。こうして、1チャンスのフリーキックを得点につなげられる「大英帝国の貴公子」はピッチを去る。そして、これがベッカムの代表でのキャプテンラストゲームとなってしまった。彼が退いたベンチで涙に暮れていたのがとても印象的だった。
 その1分後には、ランパードのCKをフリーのジェラードがシュートミス。このミスがイングランドの運命を大きく変えたプレーだった。
 後半17分。ついに運命を決めるプレーが訪れる。ルーニーがポルトガルの選手との競り合いで、ファール。これにルーニーが審判に暴言を吐き、なんとレッドカードで一発退場!!若さが悪い方向に出てしまったイングランドは、この後10人でのプレーを強いられることとなる。奇しくも
98年W杯で、アルゼンチンのシメオネにそそのかされた若きの日のベッカムが退場になったシーンを重ね合わせてしまった。あの時は、10人でアルゼンチンの猛攻を120分耐え凌ぎながらも、PK戦で敗れて姿を消したのだが…
 10人になったイングランドを見て、ついに名将フェリポンがカードを切る。
 シモンを投入しC・ロナウドを1トップに持ってくるという「失策」も犯したが、「ルイ・コスタ2世」の異名を持つウーゴ・ヴィアナやFWのエウデル・ポスティガを投入し、行け行けどんどん。イングランドに襲い掛かる。
 イングランドはまさに8年前の再現。9人で必至に守りながら、数少ないカウンターに全てを賭ける。ただ8年前と違うのは、まだ今回の方が前を向く力はあったということ。J・コールに代わって入ったクラウチは、お世辞にも足元は上手ではないが、ボールをキープしようと言う執念を感じたし、レノンは右サイドを何度と無く突破しチャンスメイクに貢献。そして何より素晴らしかったのは、オーウェン・ハーグリーブス。無尽蔵のスタミナと緩急つけた攻守の切替で、何度と無くポルトガルDFを恐怖に陥れた。
 結局90分で決着がつかず、試合は延長戦へ。ポルトガルはペナルティーエリア付近までボールを持ってくるが、そこからの崩しが不完全。ミゲルも右サイドを幾度と無くオーバーラップを繰り返しながら攻撃参加するも、決定的なチャンスは生まれない。
 イングランドは必至で守る。途中からはクラウチも守りに参加。延長後半は時間稼ぎも含めて、レノンを下げてキャラガーを入れるなど、逆転と言う選択肢をかなぐり捨てて守りに。エリクソンはPKならなんとか…そんな頭があったかもしれない。
 そして、イングランドの思惑通り、120分守りきり勝敗は運否天賦のPKに…

 しかし、守りきってPKで勝利を掴もうとした、エリクソンの考えは甘すぎた。
 インクランド最大の弱点と叩かれたGKの実力の低さがここで完全に露呈。
 ポルトガルのリカルドを一流と表現するなら、イングランドのロビンソンは残念ながら三流といわざるを得なかった。
 経験の無さ、読みの甘さ、動きの鈍さ…どれをとっても、ポルトガルのキッカーを実力で止めることは難しかった。
 一方のリカルドは、イングランド4人のキッカー全てのシュートに触り、内3本をゴールマウスからはじき出す「W杯新記録」を打ち立てて勝利に貢献。世界の最高の中盤と呼び声の高かった、ジェラード・ランパードが揃って外し、イングランドはツキにも見放され、8年前同様、そしてユーロ04同様、PK戦でまたして苦汁を舐める。
 優勝オッズ7倍のイングランドが、23倍のポルトガルに敗れ去った瞬間だった。



 第4試合のブラジルvsフランス。
 おそらく誰もが、ブラジルのスターティングメンバーを見た瞬間から嫌な予感がしていたのではないだろうか。
 パレイラはあれほどメディアに公言していた「カルテット・マジコ」の起用を曲げて、この1戦に臨む決断をした。
 ブラジルは、4-3-1-2のフォーメーション。このシステムは南米予選の強国相手に良く用いていたシステムだ。が、それはあくまでカルテット・マジコが揃わなかったが為の「オプション」であったはず。フランスにビビッたパレイラ。もうこの時点でブラジルは負ける運命にあったのかもしれない。しかも2トップは、ロナウドとロナウヂーニョと言う暴挙。ロナウヂーニョの活かしどころが、2トップの1角では無いことくらい、少しサッカーを見ていれば誰でもわかったはずである。
 一方のフランスは不動の4-5-1。よく言えば信頼しているシステム、悪く言えばバカの1つ覚えとしか言いようの無い、創造性の無さ。それでも結果を出しているという意味では、ドメネクは評価されてしかるべきなのだろうか…
 試合はフランスペースで進む。
 ヴィエラ・マケレレのWボランチは、セレソンの攻撃を見事に封じる。サイドアタックにしても、アビダル・サニョルが、サイドのスペースをうまくケアし、ブラジルに決定的なチャンスを与えない。CBも屈強なテュラムとギャラス。ブラジル相手に不足は無い。
 一方の中盤はますます完成度が高まる。輝きを取り戻したジダンにボールを集め、ジダンがボールを持つと、リベリ・マルダ、そしてボランチからヴィエラが動き出し、アンリのスペース確保のサポートへ。グループリーグではあまり見られなかった有機的な動きが完成の域に入ってきており、1トップながら攻撃力は思いのほか高い仕上がりだ。
 一方のブラジルはカルテット・マジコの解消で攻撃がちぐはぐ。特に今大会指摘されていた、ゼ・ロベルトとロベルト・カルロスの連携が0に等しく、ロベカルの攻め上がりもゼ・ロベルトが殆ど無視していたためロベカルの持ち味はまったく生かされないまま、セレソンは大会を後にすることになった。非公式な情報だが、ロベカルはゼ・ロベルトに相当怒りを顕にしていたそうだ。
 またブラジルは、フィニッシャーがロナウド1人と言うことで、どれだけ絶妙なパスを受けても、フランスDFが潰しにかかる。彼の今の体で、フランスDFをかわす事は、真夏に雪を降らせるのと同じくらい難しいことだ。結局セレソンのリズムは、アドリアーノを投入するまで変わることは無かった。
 0点と言う、思いのほか得点が入らない焦りからか、徐々にDF陣の集中が乱れがちに。後半最初のジダンのフリーキックからのリスタートも、ヴィエラがヘッドでセレソンゴールを脅かす。そして、これが布石となり後半12分、この試合の決勝点が生まれる!!
 ジダンのフリーキックが、ファーサイドに走りこむアンリへつながる。何故かブラジルDFはだれもアンリについておらず、ジダンリ素晴らしいフリーキックににアンリがジャンピングボレーで合わせてゴールネットへ!!フランスがついに先制!!均衡が破れる。
 パレイラもようやく観念して、アドリアーノ、シシーニョ、ロビーニョを入れるも時既に遅し。いい形は作れていたが、如何せん時間不足。これを最初から試していれば、この試合は意外にわからなかったかもしれない。
 パレイラのびびりが、ブラジルの破綻を招く。カルテット・マジコを標榜したパレイラが最後に自らを信じられなかった采配が、彼の足元をすくう結果となった。
 また八百屋が楽しみにしていたジダンとのユニフォーム交換は実現されず。ロナウヂーニョは足早にピッチを去ったという。CLでもしのぎを削ったアンリとは、抱擁していたシーンが映し出されていた…。
 優勝オッズ3.2倍が11倍に敗れる…こうして、ブックメーカーの優勝オッズ1桁の国は全て敗れ去り、また南米勢も早すぎるベスト8での敗退となった。
  


<八百屋のひとりごつ W杯Ver.>
23.ジンクスや傾向、過去の因縁に支配される今大会の特徴
 いよいよベスト4が決まったわけだが、優勝候補の2極、南米勢はベスト4にも残れない大波乱。今年こそはの呼び声も高かったイングランドも姿を消し、くどいようだがブックメーカーの優勝オッズ10倍を切るナショナルチームは全て敗れ去ったこととなる。
 さて、ここまで見てきて、勝ち残っている国。負けた国に共通するポイントやジンクス、因縁を紹介しよう。

① システム(やメンバー)をいじっていない国が勝ち残っている
 当該国は、フランス、ドイツ、ポルトガル。特にドイツはまったくいじっていない。フランスも殆どいじっていない。ポルトガルはメンバーはいじっているが、システムは不動。例外は日替わりスタメンのイタリアのみ。この傾向で行けば、次回イタリアは敗れ去ることになりそうだが果たして…

② 守りに入った国は、もしくは守りの采配を取った国は負けている。
 当該国は、ブラジル、アルゼンチン、オランダ、こじつければイングランドも。同点、あるいは最初のフォーメーションから守りありきのスタイルをとった国は、必ず負けている。ここは、自国のスタイルを信じ攻撃的に振舞って欲しかった。特にブラジルとアルゼンチンには特に言えると思う。

③ 過去のジンクスが大きく物を言っている。
 例として、ドイツはPK不敗。イングランドはW杯のPKで勝てない(しかも若いキープレーヤーが退場で10人になる)。フランスはブラジルにこの4戦2勝2分(今大会の成績を入れれば5試合3勝2分に)。
 今後の組み合わせで気になるデータは
・イタリア、W杯ではドイツに負けなし
・イタリア、W杯PKにはめっぽう弱い
と言うのがある。
①~③を総合しても、イタリアvsドイツには、どちらにも有利とも不利とも取れるデータが多く、どちらが勝つとは予見しにくい。ポルトガルvsフランスはデータが少ない中、両国とも責めのスタイルが変わらない「ミラーフォーメーション」のため、これまた戦況が読みにくい。

果たしてどの国が勝つのか?ここまで荒れると何処とも予想がつかないだろう。
ただ、八百屋の私見を言わせていただければ、
Ⅰ ドメネクとクリンスマンの監督の手腕には大いに疑問を禁じえないのでフランスとドイツには優勝して欲しくない
Ⅱ ジダンには有終の美を飾って欲しいのでフランスには優勝してもらいたい
Ⅲ イタリアはW杯直前、大いに揺れたので、W杯優勝でセリエA問題に明るい話題も提供させてあげたい 
となる。ⅠとⅡは矛盾しているので、Ⅲを希望に。ジダンが頑張るも準優勝に。そう願いたい八百屋である。
[PR]

by 5aday | 2006-07-03 22:29 | FIFA Worldcup 2006


<< F1:第10戦アメリカGP決勝...      F1:第10戦アメリカGP予選... >>