2006年 07月 01日
W杯ドイツ2006:6/30の結果 王様のいないアルゼンチン ベスト8で姿を消す
<当日の結果>
【ベスト8 第1試合】
○ ドイツ 1(PK4 -- 2)1 アルゼンチン ● at ベルリン  
得点者:アジャラ1('48) 
     クローゼ5('80)         
警告・退場:ポドルスキ(b) オドンコール(b) フリートリヒ(b) 
       ソリン(b) マスチェラーノ(b) M・ロドリゲス(b) フリオ・クルス(b) クフレ(s)
(クフレのレッドカードについての詳細は不明) 


【ベスト8 第2試合】
○ イタリア 3 -- 0 ウクライナ ● at ハンブルグ 
得点者:ザンブロッタ1('6) トニ1,2('54)('64)
警告・退場:スヴィデルスキ(b) カリニチェンコ(b) ミレフスキ(b)


 いよいよ本日よりベスト8。W杯早い、あっという間に去っていく。熱戦も残りわずかだ。
今日は、ベスト8第1試合、ドイツvsアルゼンチン 第2試合、イタリアvsウクライナの試合が行われた。



 もうベスト8となればどれも注目カードなのだがその中でも勢いあるホスト国ドイツと、優勝候補アルゼンチンの伝統国同士の対決。第1試合から目の離せないカードだ。
 ドイツはおなじみのイレブン。変更は無し。クローゼとポドルスキで7得点。自慢の攻撃陣に注目が集まる。
 一方のアルゼンチンは、メンバーを多少いじってきた。サビオラ→テベス、カンビアッソ→L・ゴンサレス、ブルディッソ→コロッチーニ。特に右サイドのコロッチーニの起用は、ドイツの左サイド、ラーム+シュバイシュタイガーを気にしての起用。ペケルマンとしても左サイドはやはり無視できない「ポイント」なのだろう。
 試合は前半、激しいプレス合戦が展開され、両国ともチャンスらしいチャンスをつかめない。中盤の優れた強国同士はしばしこのような激しい潰し合いのサッカーを展開することがあるが今回はまさにそれだった。しかし、これこそ嵐の前の静けさ…。後半、点が入れば大きく試合が動くだろう。
 そして…こういう試合は、得てして先制点を取った方が苦しんだりするものであるのだが…
 後半に入り、いきなり試合は動いた。後半4分、リケルメのCK。やや山なりの大きな弧を描いたボールは、アジャラのヘッドにぴしゃりと合う。クローゼもあわてて体を合わせたが一歩遅かった。アジャラのヘッドでアルゼンチンが先制!!リケルメにアジャラが駆け寄り、そしてアルゼンチン選手の大きな輪が出来る。しかし、この時ドイツの選手が誰一人うつむいていなかったのが不気味だった。
 1点が入り試合は大きく動いた。この1点が合図になったかのように、ドイツが猛攻を仕掛ける。それまで攻め上がりを自重していたラームは終始上がりっぱなしに。フリンクスやフリートリヒまで攻撃参加を始め、まさに「ゲルマン魂」。八百屋はこの言葉はあまり好きではないのだが、今回ばかりはその気迫を前面に押し出すサッカーに圧倒+鳥肌。クリンスマンもそれに呼応するようにオドンコールを早々に投入。勝負に出る。
 アルゼンチンは最初はドイツの攻め上がりにカウンターで応戦していたが、徐々に自陣に押し込まれるようになりカウンターも繰り出せなくなってきた。そんな中、ペケルマンが1つの英断を下そうとした時にアルゼンチンにアクシデントが襲う。
 クローゼと接触プレーで一時は立ち上がりプレーを続けていたアボンダンシエリがやはり接触の具合が重く、プレー続行不能に。アルゼンチンは緊急にGKの交代を余儀なくされ、急遽レオ・フランコが代役を勤めることになる。これによって予定外の交代枠を1つ使うことになったが、それでもペケルマンは大きな決断を変えることなく断行した。
 リケルメout カンビアッソin
 ペケルマンがリケルメのために作り上げたチーム、その中心選手を外し「守る」という選択をしたペケルマン。後残り20分、ホスト国の勢いそのままに攻め続けるドイツから「1点を守りきる」作戦に切り替える決断をしたのだ。まさに王様不在のアルゼンチン。この後いったいどうなってしまうか…
 勢いそのままにクリンスマンは手を緩めない。ノイビル・ボロウスキを続けざまに投入。長期戦は不利と見て90分で勝負をつける采配に打って出る。
 一方のペケルマンは最後のカードはフリオ・クルス。守れるFWフリオ・クルスをクレスポと入れ替え、3枚のカードを使い切った。彼の頭に同点にされたことは考えていない。超守備的布陣で1点を守りきるはらだ。しかし、同点になったら?アルゼンチンはどう組み立てて攻めるのだろう。
 そして後半35分、その不安は現実のものとなる。
 バラックの左サイドからのクロスに、長身のボロウスキがヘッドでクローゼに合わせる。そのクローゼがダイレクトでゴールへ。体重が逆にかかっていたレオ・フランコは反応が出来ずにボールはゴールマウスへ…。ついにドイツの執念が実り同点に、ベルリン・オリンピックスタジアムは絶叫と喝采がこだまする!!!!
 恐れたことが現実になったペケルマンは蒼白に。この瞬間、名称はPKの運否天賦に全てをかけるしかないことを悟ったと思う。一方、采配がズバリ的中するクリンスマンは、毎度のオーバーアクションで喜びを爆発。ドイツ人も「我、喝采を叫ばん」といった感じだ!!
 その後、ドイツが一方的に押し捲るが90分では決着がつかず延長戦へ。延長戦では、ドイツが攻め疲れてアルゼンチンに押し込まれる時間帯があったが、しかしメンバーがメンバーなだけに決定的なチャンスに結びつくことは無かった。
 
 いよいよ運命は運否天賦のPK戦に。参考記録ながら、ドイツはW杯のPK戦には不敗神話が残っているが…
 結果は、ドイツは怪我を押して蹴ったクローゼも含めて4人全員が決めたのに対し、アルゼンチンはアジャラ、カンビアッソの2人が止められPKスコア4-2でドイツがアルゼンチンを破り、ベスト4に初名乗りを上げた。ちなみにレーマンはアルゼンチンの4人のキッカーの蹴る方向を全て読んでいたから驚きだった。アルゼンチンもW杯のPKは不敗を誇っていたが、数々のPKの死闘を潜り抜けてきたドイツには及ばなかった。
 ペケルマンは、攻撃中心のチームに守備を強いて残り時間を守りきろうをプランを立てた。彼の持論としては、守備も一流に出来るという自負があってのプランだったと思われる。しかし、アボンダンシエリの交代と言う「想定外」の出来事にもかかわらず、2枚のカードを切ってしまったこと。これが敗因だったかもしれない。中心選手のリケルメは確かに守備をしない。しかし彼にはそれを補って余りある「攻撃への創造性」があったはずだ。それを外し、「とにかく守るんだ」というメッセージをこめたカンビアッソへの交代。賛否両論あると思うが、その交代は悪いものでは無いと思った。
 しかし3枚目のカードをあっさり切ったことは、やはり「采配ミス」と言わざるを得ない。しかも守れるFWと言う中途半端な交代劇が、アルゼンチンの首を絞めたのは火を見るのに明らかだった。せめて1枚は残しておき、もしもの同点のためにメッシーやアイマールを残しておけば…このような結果は無かったかもしれない。
 王様不在のチーム、ベスト8で散る。英国ウイリアム・テル(ブックメーカー)の優勝オッズナンバー1のアルゼンチン、早すぎるベスト8での敗退となった。



 第2試合のイタリアvsウクライナ。これはイタリアが貫禄を見せた。
 イタリアは、4-5-1。バルザッリが予定通りCBに入り、八百屋の展望通り。守備的なペッロッタとカモラネージを起用し、1トップはトニに託す。
 ウクライナはベストの布陣でイタリアに臨む。エース、シェフチェンコに期待が集まるが…彼を良く知るイタリアDFだけに、この戦いは戦う前からウクライナにとっては分が悪かった。
 前半6分、トップ下に入ったトッティのサイドへ流したパスに右SBのザンブロッタが鋭く反応。そのまま、ドリブルでウクライナゴール前に切り込み、強烈にミドルシュート!!いきなりイタリアが先制!!イタリアとしてはこれでゲームの主導権をにぎる。
 ウクライナはシェフチェンコがカンナバーロの徹底マークにあい、何も出来ない。攻撃力も迫力不足でイタリアゴールを割るにはいたらない。
 後半は今大会沈黙していた、セリエAで30ゴール越えの得点王、ルカ・トニが覚醒!!トッティとザンブロッタのお膳立てを見事に活かして2得点をたたき出し、ウクライナに引導を渡した。後半、イタリアは守備を固めてウクライナ攻撃陣をシャットアウト。シェフチェンコは最後まで沈黙し、ついに決勝トーナメントで1点もあげることが出来ずにウクライナはベスト8で大会を後にした。
 やはりイタリアは、組み合わせに恵まれている。この試合は主力を途中交代させたり、切り札的サブを使うことなくベスト8を勝ち抜け、今後は勝っても負けても2試合が残る日程に少し余裕を持って挑むことが出来る。またトニは改めて1トップとしての資質があることを証明してしまい、ジラルディーノとの2トップを今後リッピがどのように使っていくのか、注目を集めそうだ。



<八百屋のひとりごつ W杯Ver.>
22.早すぎる優勝候補の脱落と、今年の「因縁の対決」へ
 グループリーグで、圧倒的強さを見せ付けたアルゼンチン。そのサッカーは見るものを魅了し、超攻撃的サッカーで、応酬予選を1失点に抑えたセルビア・モンテネグロに6得点の荒稼ぎ。出てくる選手全てに得点感覚が備わっているような豪華な攻撃は、是非とも決勝まで、せめて3位決定戦まで見ていたかった。
 八百屋としても、メッシーをもっと見たいと思うミーハーファンの1人である。バルサのCLでのプレーしか見たこと無いが、その技術は「超絶」の一言。特にスピードは半端じゃなく、その破壊的とでも表現しようか、ドリブルは見るものの度肝を間違いなく抜いてくれる。
 そして、M・ロドリゲスの強烈で精度の高いミドルシュート。3得点はお見事の一言だ。そして、「王様」ファン・ロマン・リケルメのプレー。アルゼンチンで、特定の1人を中心にチームが作られたのは、実に16年前のマラドーナ以来では無いだろうか(94年はドーピングに引っかかった為除外)。そんなマラドーナが、スタンドで「セレステ・イ・ブランコ」(アルゼンチンで「水色と白」の意 代表のユニフォームのこと)に袖を通して、オーバーアクションで応援していたシーンも何度も国際映像が抜いていた。
 そんなアルゼンチンも見納めになってしまった。ここは素直にドイツに拍手を送りたい。ペケルマンが、最後の最後に采配を誤った感があるが、彼としては悔いは無いだろう。彼のプライドを捨てて、ホスト国から「守り通す」ことを選択した彼の一世一代の選択に、八百屋はこれ以上文句を言うつもりも無い。
 昨日の結果を受けて、ベスト4は、ドイツvsイタリアの組み合わせになった。
 共に実績十分の両国だが、今年はこの2国に「ちょっとした因縁」がある。
 それはUEFAチャンピオンズリーグ05-06のことだ。ノックアウト方式の決勝トーナメントベスト16で、ドイツのクラブチームの名門、バイエルン・ミュンヘンとブレーメンは、これまたイタリアリーグの名門、ACミランとユベントスと激突した。
 バイエルン・ミュンヘンは初戦を1-1で引き分けるも第2戦敵地で1-4で完敗。ブレーメンも、第2戦残り数分まで勝利を手にかけつつあったが、GKティム・ヴィーゼのミスでユベントスにゴールを許し、アグリゲートスコアで同点になりながらもアウェーゴールの差でユベントスに屈している。こうして、ドイツ勢のチャンピオンズリーグは、ベスト16で終わりを告げる「最悪の結果」となった。
 ドイツのメディアは酷評。「バイエルンももはやヨーロッパレベルではない」とか「ドイツサッカーの時代の終焉」といった厳しい見出しが躍り、結果の通りイタリアに叩きのめされた格好になった。
 しかし、その鬱憤を晴らす格好の機会が用意された。
 地元とはいえ、W杯ベスト4でイタリアをたたけば、メディアも国民も大満足だろう。
 果たしてクリンスマン率いる攻撃サッカードイツが、イタリアの「カテナチオ」を破ることが出来るのか?ネスタも復帰予定のベスト4はますます楽しみな1戦になりそうだ。
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by 5aday | 2006-07-01 23:09 | FIFA Worldcup 2006


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