2006年 06月 18日
<当日の結果> 【GROUP C】 ○ アルゼンチン 6 -- 0 セルビア・モンテネグロ ● at ゲルゼンキルヘン 得点者:M・ロドリゲス1,2('6)('41) カンビアッソ1('31) クレスポ2('76) テベス1('84) メッシー1('88) 警告・退場:クレスポ(b) コロマン(b) ナジィ(b) クルスタイッチ(b) ケジュマン(s) ** アルゼンチンの決勝トーナメント出場が決定!! ○ オランダ2 -- 1 コートジボワール ● at シュトゥットガルト 得点者:ファン・ペルシー1('23) ファン・ニスイルローイ1('27) B・コネ1('38) 警告・退場:ロッベン(b) マイタセン(b) ファン・ボンメル(b) ランザート(b) ゾコラ(b) ドログバ(b) ボカ(b) ** オランダの決勝トーナメント出場も決定!! 同時に、セルビア・モンテネグロとコートジボワールの敗退も決定 【GROUP D】 △ メキシコ 0 -- 0 アンゴラ △ at ハノーファー 得点者: 警告・退場:ピネダ(b) デルガド(b) アンドレ(b/s) ゼ・カランガ(b) ジョアン・リカルド(b) <星取表> 【グループC】 勝 負 分 勝点 得点 失点 得失点差 ◎アルゼンチン 2 0 0 6 8 1 7 ◎オランダ 2 0 0 6 3 1 2 ▼コートジボワール 0 2 0 0 2 4 -2 ▼セルビア・モンテネグロ 0 2 0 0 0 7 -7 (グループCは便宜上、後日記載) 大会8日目。意外にも「死のグループ」と言われたグループCは、1試合を残してあっさり、2強が決勝トーナメントを決めた。 アルゼンチンvsセルビア・モンテネグロ戦は、意外な結果になった。マキシ・ロドリゲスに始まる、アルゼンチンのゴールラッシュ。都合6ゴールは、もちろん今大会の最多ゴール。途中出場のテベス・メッシーら飛び級組も揃って結果を残し、層の厚さも見せ付けた。 試合の流れは、民放・国営放送問わず多くの時間を裂いて紹介していたのでここでは割愛させていただき、違った視点からこの試合を分析させていただきたい。 まず、アルゼンチンの攻撃について。確かに攻撃の多くが、リケルメを経由していることは言うまでもないが、今回、リケルメを経由しない得点が八百屋がカウント間違いでなければ3点生まれている。但し、アルゼンチンの3点目以降の得点は、戦意喪失のチームから奪った得点のため、参考外とし1点目2点目を分析したい。 1点目、2点目共にセルビア・モンテネグロからボールを奪ってから得点につなぐまでに実に20本以上のパスを経由してゴールが生まれている。これは、リケルメを中心とした細かいパスをつなぎながら各アタッカーが有機的な動きを行い、スペースを作ることによって生まれたゴールだ。特に2点目のカンビアッソのゴールは、途中出場だったにも関わらず、流れる連携のようなボールつなぎから生まれた美しいゴールだった。 これは、ペケルマンが標榜する「細かいパスをつなぎながらも、オフ・ザ・ボール(ボールを持っていないときの動き。マークを引き連れたり、今あるスペースを突く動きをして、決定的なスペースを作る作業)時の高度な要求を要するサッカー」を全員が体現出来ていると言うことだ。それは、1点目・2点目とも、2列目より後ろの選手が取ったことが何よりの証拠となる。誰かがボールを持ったとき、全員が有機的に動くことで、マークをかく乱させ、決定的なスペースを作る。そこにノーマークの2列目以降の選手が飛び出しゴールを狙う。これには2列目より後ろの選手に得点能力が必要な選手が必要となる。しかし、ユース時代から若い選手の指導に当たったペケルマンは、自分の哲学を浸透させながら、これらの能力を秀でた選手をテストを繰り返しながら見つけていたのだ。 オランダvsコートジボワール戦。戦前の予想通り、オランダは苦しんだ。しかし苦しみながらも勝利で終えたあたりは評価できる部分かもしれない。 前半、今回も先発したファン・ペルシーの弾丸フリーキックで先制。その3分後には、ファン・ニステルローイがこぼれ球を叩き込み2点目。失点に浮き足立ったコートジボワールを見逃さなかったあたりは、流石オランダである。 しかし、その後試合はこう着状態から段々コートジボワールペースへ。この試合は先発した、B・コネのばねのあるドリブルから鋭く振りぬいた右足は、ファン・デルサールの長い手をもすり抜けるミドルシュート!!これでコートジボワールが1点差に詰め寄る。 その後、コートジボワールは何度もオランダゴールを脅かすも、ドログバだけは徹底マークをつけたオランダが得点を許さない。コートジボワールも最後の牙城、ファン・デルサールは崩せず、2-1のまま、スコアは動くことなくオランダが辛くも逃げ切った。 しかし、オランダの中盤はまったく機能していない。ボランチのコクはボランチのくせに消えている時間帯が多かった。高齢で動けないボランチなんか要らない。今いるメンバーなら、カードが心配だが、ファン・ボンメルにその座を譲るべきだ。また、守備の安定を図るためにもWボランチにすべきで、相方はメンバーリストを見る限り、スナイデルかマドゥーロか。守備力だけ見ればマドゥーロになりそうだが。 このままオランダが中盤を修正しないまま今後に臨めば、攻撃的なチームに大敗を喫する可能性は極めて高い。たちまちの試金石はアルゼンチン戦。集中が切れれば、5失点位してもおかしくない中盤の危うさだ。 前線は個人技で何とか点を稼いでいるが、守備はこと組織が肝要。ファン・バステンがその事を理解しているかどうか。オランダの今後は彼の舵取りにかかっている。 グループDのメキシコvsアンゴラ戦。 一方的にメキシコが攻め立て、最後はアンゴラ10人になったが、GKジョアン・リカルドを中心とした鉄壁の守備で、メキシコ相手に無失点。歴史的な勝ち点1を獲得した。 特に、神ががっていたのはジョアン・リカルド。八百屋もブログでジョアン・リカルドについてはとりあげたのだが、ここまで活躍してくれると、嬉しい限りだ。この引き分けは、決勝トーナメント出場に僅かながら望みをつないだことになる。最終戦はイラン戦。彼らに果たして奇跡は起こるのか。 <八百屋のひとりごつ W杯ver.> 12.アルゼンチンに対抗できる国はあるのか??? リビューでも触れたが、それではアルゼンチンに対抗できる国はどこかあるのか?少し考えてみることにしよう。 1.有無を言わさぬ個人技を持つ国 当該国:ブラジル 守備においてもペケルマンシステムが浸透しているアルゼンチンに打ち合いを挑めるのはブラジルだけである。この「反則」ともいえる個人技を武器に、アルゼンチンと互角の勝負が挑めるのは南米の雄だけ。 2.素晴らしい連携を持つ中盤と強固のDFラインを持つ国 当該国:イングランド、スペイン アルゼンチンの中盤をつぶすには、それ相応のタレントを要する中盤とDFを持つ国でないと難しい。ポルトガルも入りそうな気がするが、残念ながらマニシェとコスティーニャのコンディションがあまりよくなさそうなので外した。特にイングランドあたりは、アルゼンチンと互角の勝負を演じてくれると思う。 このような予想をあげたが、残念なのは今上げたこの3カ国。順当に予選を突破すれば、決勝まで当たる見込みの無いカード。ともすれば、アルゼンチンは決勝まで突き進んでしまうのか…今後のアルゼンチンに注目したい。
by 5aday
| 2006-06-18 21:54
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