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2006年 06月 17日
W杯ドイツ2006:6/15の結果 エクアアドル・イングランド決勝T通過を決める!!スウェーデンは面目を保つ
<当日の結果>
【GROUP A】
○ エクアドル 3 -- 0 コスタリカ ● at ハンブルグ
得点者:C・テノリオ2('8) デルガド2('54) カビエデス1('90+1)      
警告・退場:カスティージョ(b) デラクルス(b) モラ(b)
       マリン(b) ソリス(b) 
** エクアドルの決勝トーナメント出場も決定!!
これで2チームが決定し、ポーランド・コスタリカの敗退も決定 


【GROUP B】
○ イングランド 2 -- 0 トリニダード・トバゴ ● at ニュルンベルグ
得点者:クラウチ1('83) ジェラード1('90+2)  
警告・退場:ランパード(b)
       テオバルド(b) ウィットリー(b) ジョーンズ(b) ヒスロップ(b) グレイ(b)      
** イングランドの決勝トーナメント出場が決定!!

○ スウェーデン 1 -- 0 パラグアイ ● at ベルリン
得点者:リュングベリ1('89)
警告・退場:リンデロート(b) ルチッチ(b) アルバック(b)  
       カニサ(b) アクーニャ(b) ヌニェス(b) パレデス(b) バレット(b)

<星取表>
【グループA】
             勝     負     分    勝点    得点    失点   得失点差
◎エクアドル     2      0      0     6      5      0       5
◎ドイツ        2      0      0     6      5      2       3
▼ポーランド     0      2      0     0      0      3       -3 
▼コスタリカ     0      2      0     0      2      7       -5

【グループB】
             勝     負     分    勝点    得点    失点   得失点差
◎イングランド    2      0      0     6      3      0       3
  スウェーデン   1      0      1     4      1      0       1
  トリニダード・トバゴ  0      1      1     1      0      2       -2 
▼パラグアイ     0      2      0     0      0      2       -2


大会7日目。速いものでもうW杯が始まってから1週間が経つ。
本日は、昨日のドイツに引き続き、エクアドルとイングランドが決勝トーナメントへの出場を決めている。

 エクアドルvsコスタリカ戦。速攻vs遅攻、試合のスピードがまったく異なる両者の軍配はエクアドルの圧勝に終わった。
 エクアドルは、通常時のプレーはゆったりと横パスしたり、後ろに返してみたりとちんたらしているように見えるが、いったんギアが切り替わると全員が一気にゴールへめがけて動き出し、素早い動き出しに素早いパスで、相手DFを翻弄。3点とも素早いサイドからのクロスを合わせての得点で、エクアドルの良さが全面に現れたサッカーだった。
 コスタリカはどうしてもプレーエリアが中央に偏ってしまい、エクアドルの手数だった両サイドを攻略するような動きは殆ど見られなかった。チームはワンチョペに何とかボールを集めようと努力していたが、如何せん初戦で注目を集めすぎたか、エクアドルも厳しいマークをワンチョペに貼り付け、結果ワンチョペは殆ど仕事らしい仕事が出来ないまま体力だけ消耗していった。
 第3戦は、グループの首位を賭けてのドイツとの戦い。イングランドとスウェーデン、当たりたくないのはやはりイングランドだろう。両チームとも、主力を温存しつつも首位を目指す戦いに注目したい。
 
 イングランドvsトリニダード・トバゴ戦。トリ・トバは、スウェーデンに行った戦術同様、90分間集中を切らさず守り抜く方法を取ってきた。おそらく強豪2チームに分けて、最後パラグアイに勝って勝ち点5で決勝に進むシナリオをベーンハッカーは思い描いていたに違いない。
 しかし、イングランドはスウェーデンと違う点があった。イングランドは、スウェーデンよりも中盤とDF陣に優秀なタレントをそろえており、カウンターがあまり通用しなかったのだ。スウェーデンを慌てさせるようなカウンターはイングランド戦では出来ず、この結果、エリクソンが見せた、予選では見せたことのない「奇策」へと繋がっていくのである。
 前半から一方的に攻めまくるも攻撃が単調で、トリ・トバゴールを割ることは出来ない。前半終了間際には、ベッカムのやわらかいクロスがノーマークのクラウチの真ん前に飛んできたが、クラウチはこれをゴールとは「明々後日」の方向に飛ばしてしまい、国際舞台での経験不足を露呈した。一方のトリ・トバは、あわや先制ゴールとも言えるようなシュートがあったが、これはDFのテリーが身を投げ出してボールをクリア。もしこれが入っていたら、試合は大変なことになっていたかもしれない。
 後半、流れの変わらない試合に業を煮やしたエリクソンが、名将らしい「奇策」を放つ。まず、故障明けのルーニーを「オーウェン」に代えて投入。ここでクラウチを下げずにオーウェンだったのが、八百屋的にも大正解だと思った。そしてキャラガーに代えてレノンを投入。このレノンがトリ・トバを奈落の底へ突き落とす「奇策」となった。
 何と交代後、ベッカムを右SBの位置まで下げ、レノンを右のウイングハーフに起用したのだ!!
 しかし、これにはエリクソンの周到な策が盛られていた。
 レノンを右サイドに切れ込まされることで、守備はレノンのマークに集中することになる。ここでポジションを下げさせたベッカムが上がり、マークを受けることなく正確なクロスを前線に供給する。つまり、ベッカムのクロスを武器にするためにレノンを投入し、そのベッカムのクロスの受けてはクラウチでないといけないわけだ。オーウェンでは決して務まらない。
 この采配が実を結んだのは試合も終わろうとしていた83分のことだった。
 ベッカムの鮮やかな弧を描いたクロスが、クラウチに。今度こそクロスをしっかり呼んでポジショニングをとったクラウチはドンピシャヘッドでトリ・トバゴールへ!!ついにイングランドが、第1試合から173分間無失点に抑えてきたトリ・トバゴールの壁を突き崩した瞬間だった。
 その後、息を吹き返したイングランドは後半ロスタイムには、ジェラードのワールドクラスの左足からの(利き足じやないんですよ!!)ミドルが炸裂し2-0に。決勝トーナメント出場を決める試合に花を添えた!!

 第3試合の、スウェーデンvsパラグアイ。
 ラガーバック監督は八百屋のブログを読んでくれたのか(←んなわけねーだろっ!!)、さしたる存在も見せていなかったスベンションをシェルストレームに入れ替え。これがスウェーデンの攻撃のリズムに好影響を及ぼした。
 前半は、両者がお互いの持ち味を出す展開に。
 パラグアイは、運動量の豊富なバルデスが広い範囲を動きながらボールを受け、サンタクルスもスペースを作りながらパスを出すなど攻撃の組み立てに貢献。ただ、バルデスとサンタクルスと言うFWがチャンスメイクに多く関わってしまったため、フィニィッシュに物足りなさを感じたのもまた事実。バルデスは段々じれてきて、1人でボールを持ち過ぎるシーンも増えてきて攻撃のリズムが悪くなる。
 スウェーデンは、シェルストレームが効果的にボールを散らし、リュングベリやヴィルヘルムションのサイド攻撃の基点となりながら、自分で強烈なミドルもたたき出すなど、徐々にスウェーデンがペースを握り始めるが、相変わらずイブラヒモビッチは輝かず、ラーションはやや他の選手との連携を欠き、惜しいフリーキック1本の見せ場はあったが、全体的な連携に関しては「?」だった。
 後半、パラグアイは、ドス・サントスやバレットを投入しスウェーデンゴールを目指すがゴールは遠く、一方のスウェーデンも違和感を感じると訴えたイブラヒモビッチに代えてアルバックを投入し、FW登録のヨンソンも投入するも、アルバックのループはパラグアイのカニサにすんでのところで弾かれゴールならず。またしてもアルバックが試合を難しいものにしていた。
 しかし、スウェーデンの怒涛の攻撃が実ったのは後半44分、前線へのクロスをアルバックが折り返し、それをゴールに向かって猪突猛進していたリュングベリが決勝ゴール!!スウェーデンは2戦続けての引き分けを免れ、事なきを得た。
 スウェーデンは3戦目、決勝トーナメント出場をかけてイングランドと対戦する。数字の可能性上、トリ・トバにも通過の可能性もあるが、イングランドに惨敗してトリ・トバがパラグアイに勝たない限り、スウェーデンの敗退はない。しかしこれまでの試合運びもあると思うので、全力でイングランドに立ち向かってもらいたい。


<八百屋のひとりごつ W杯ver.>
11.イングランドとスウェーデンの優劣
 グループBの2強と目されていたスウェーデンとイングランド。この2強の直接対決は、グループリーグでも屈指の好カードと目されているが、この2戦の両チームの戦いぶりを振り返りながら、どちらが上か優劣を決めて見たい。
 両者の能力を測る大きな材料としては、トリ・トバ戦がある。両国とも、トリ・トバ戦を戦っており、そこから見えてくるものはとても大きい。
 まず結果だけ見ても、イングランドは勝利しているのにもかかわらず、スウェーデンは引き分けたこと。これだけでも、イングランドの方が優勢なのは明らか。1戦目と2戦目の違いはあるかもしれないが、1戦目のスウェーデンは、10人のトリ・トバに引き分けたろ、初戦の不利は帳消しなはずだ。
 そして、更に見えてくるのはスウェーデンはトリ・トバに多くのカウンターを許したが、イングランドは決定的なカウンターを許したことが殆どなかったこと。これも、DFのタレントにおいてはイングランドが大きく優勢なことがうかがい知れる。
 そして次はパラグアイ戦を紐解きながら見ていきたいのだが、最大の違いはスウェーデンは再三パラグアイに深いところへの攻撃を許していたのに、イングランドはそれをあまり許していなかったこと。これは、パラグアイ中盤のパサーをイングランド中盤がつぶしていたこと。これに尽きると思う。
 攻撃力だけでは両者はほぼ互角と目されるが、中盤以降はやはり大きな差が存在する。第3試合にスウェーデンが敗れるようなら、まさかのまさかも有り得るだけに、スウェーデンとしては背水の陣で望んでもらいたいものだ。

by 5aday | 2006-06-17 18:49 | FIFA Worldcup 2006


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