2006年 05月 21日
サッカー:W杯2006 グループ展望:グループA
今回はホスト国ドイツが入っているグループAを展望します。
果たしてこの組み合わせはドイツにとって、どのような組み分けだったのか。
見所も含めて、展望して行きたいと思います。


グループ A -ドイツ コスタリカ ポーランド エクアドル-

□ 大会日程
6/9(金) ドイツvsコスタリカ (ミュンヘン 25:00)
6/9(金) ポーランドvsエクアドル (ゲルゼンキルヘン 28:00)

6/14(水) ドイツvsポーランド (ドルトムント 28:00)
6/15(木) エクアドルvsコスタリカ (ハンブルグ 22:00)

6/20(火) エクアドルvsドイツ (ベルリン 23:00)
6/20(火) コスタリカvsポーランド (ハノーファー 23:00)

6/24(土) A組1位vsB組2位 (ミュンヘン 24:00)
6/25(日) B組1位vsA組2位 (シュトゥットガルト 24:00)
(Bグループは、イングランド、スウェーデン、パラグアイ、トリニダード・トバゴ)


□ 八百屋グループリーグ突破予想
 ・ドイツ  90%
 ・ポーランド  50%
------------------------------------
 ・エクアドル 35%
 ・コスタリカ  25%


■ グループAの見所 
 ドイツの1位通過は固い。2位にどのチームが来るのかを楽しもう!!

 このドローを見て、ドイツ国民は安堵の息を漏らしたと思うし、ドイツを除く全世界のフットボールファンは「なんて、ドイツは運がいいんだ」と思ったに違いない。8つのグループ中でもかなり恵まれた部類に属するだろう。
 ここは、当然ドイツが通過する。仮に1敗しても、通過は硬いだろう。ともすれば、見所は自然と2位争いが焦点となってくる。この2位争いについて、各国のプレビューを見ながら予想してみたい。
 

GERMANY -14大会連続16回目-
■ FIFAランキング  19位
■ W杯予選成績  ホスト国のため予選なし  
□ 参考記録  クリンスマン監督以降の成績:13勝 5敗 6分(54得点 35失点)
■ 平均年齢  25.9歳
■ 大会登録メンバー
GK 1 イェンス レーマン アーセナル(ENG)  
GK 12 オリバー カーン バイエルン・ミュンヘン  
GK 23 ティモ ヒルデブラント シュツットガルト  
DF 2 マルセル ヤンセン メンヘングラッドバッハ  
DF 3 アルネ フリードリッヒ ヘルタ・ベルリン  
DF 4 ロベルト フート チェルシー(ENG)  
DF 6 イェンス ノボトニー バイヤー・レバークーゼン  
DF 16 フィリップ ラーム バイエルン・ミュンヘン  
DF 17 パー メルテザッカー ハノーバー96  
DF 21 クリストフ メツェルダー ドルトムント  
MF 5 セバスティアン ケール ドルトムント  
MF 7 バスティアン シュバインシュタイガー バイエルン・ミュンヘン  
MF 8 トルステン フリンクス ブレーメン  
MF 13 ミヒャエル バラック バイエルン・ミュンヘン  
MF 15 トーマス ヒッツルスペルガー シュツットガルト  
MF 18 ティム ボロブスキー ブレーメン  
MF 19 ベルント シュナイダー バイヤー・レバークーゼン  
MF 22 ダビド オドンコー ドルトムント
FW 9 ミケ ハーンケ ボルフスブルク  
FW 10 オリバー ノイビル メンヘングラッドバッハ  
FW 11 ミロスラフ クローゼ ブレーメン  
FW 14 ジェラルド アザモア シャルケ04  
FW 20 ル-カス ポドルスキー ケルン

■ 基本フォーメーション 4-4-2(八百屋スタメン予想)

      ポドルスキ     クローゼ


            バラック


シュバインシュタイガー      エルンスト


            フリンクス


ラーム   ノボトニー  メッツェルダー  フリートリヒ


             レーマン

◎ 充実の攻撃陣と経験不足の守備陣、チームが結束することが結果への条件

 ホスト国ドイツにとっては、非常に恵まれたドローとなった。くじ運如何では、グループCのような「悪夢」の組み合わせもありえたわけで、それに比べればずいぶん楽なグループになった言えるだろう。
 23人のメンバーを見ると、FWはこれまでのセカンドチョイスだったクラニィが落選。替わりに若手の高速ウィンガータイプのオドンコールが選出されている。また、DFは経験値の不安からか、ベテランのノボトニーを選出するなど、懸案のDF陣に対する苦慮も窺える。
 攻撃陣は若いフォワード勢にバラックのトライアングルで、水準以上の攻撃力が期待できる。しかし、前述の通り守備陣は、GKを除いて経験値に不安が残る。このグループの残り3チームはいずれもFWに決定力のあるタレントが多いので、前がかりになりすぎてカウンターで失点、というパターンには気をつけたい。
 また、数ヶ月前までカーンとレーマンの正GK起用を巡る論争も、レーマンで決着を見た。カーンもこの決定を受け入れ、第2GKとしてチームをサポートしていく、と言う非常に紳士的な声明を発表し、これはドイツチームにとっても一枚岩になれる一つの出来事だったのではないだろうか。
 いずれにしても、グループリーグで脱落するような戦力ではないことは確かだ。
 それでは政治面での問題について少し触れたい。
 クリンスマンが、ドイツサッカー協会の重鎮、かのベッケンバウアー氏と仲が悪いのは周知の事実だが、この二人の仲たがいは代表メンバーにも悪影響を及ぼしかねない情勢だ。
 まず、クリンスマンがやった「カーン外し」に対して、ベッケンバウアーが激怒。この、カーン外しとは、まずカーンからキャプテンマークを取り上げ、またGKコーチにカーンの懇意のコーチをクビにして、98年W杯でゴールマウスを守ったケプケを招聘(また、この方がカーンと仲が悪い)。そして、あのカーンとレーマンの「ターンオーバー発言」からついに満を持してレーマンの起用。クリンスマンの中ではこの1連の流れは全て計算済みだった。
 これに対してベッケンバウアーは、ドイツ代表のテクニカルディレクターにマティアス・ザマーを起用(ザマーは超守備的なスタイルで有名であり、クリンスマンとはウマが合わない)しするなどして、クリンスマンに対抗。好きなようにはやらせない、と言うメッセージのこもった報復人事が行われており、クリンスマン監督とドイツサッカー協会の仲は決して良いとは言えないだろう。
 こんな政治的な問題を抱えているドイツなだけに、このグループの組み合わせは不幸中の幸いであろう。とにかく、ややもすれば分裂しかねない、この人事の中で、クリンスマンがどれだけリーダーシップを発揮してチームをまとめ、引っ張ってくれるか。それにかかっている。
 決勝トーナメントを睨んでみると予選通過は1位でも2位でも、スウェーデンかイングランドと当たる可能性が濃厚なだけに1位でも2位でも差ほど大差がない。おまけにベスト8を睨んでも、ポルトガルかオランダかアルゼンチンと当たるため、無理に1位を取る必要はないのだ。
 とにかく連勝で3戦目を主力の休養日に当てて、激闘の決勝トーナメントに備える、これがドイツが描く最高のグループリーグのシナリオだ。
 

POLAND -2大会連続7回目-
■ FIFAランキング  28位
■ W杯予選成績  欧州地区 6組2位 (8勝 2分 / 27得点 9失点)
■ 平均年齢  28.3歳
■ 大会登録メンバー
GK
アルトゥール・ボルッチ(セルティック:SCO)
トマシュ・クスチャク(ウェストブロム:ENG)
ウカシュ・ファビアンスキ(レギア・ワルシャワ)

DF
ヤセク・バク(アル・ラヤン:QAT)
マリウシュ・ヨプ(FKモスクワ:RUS)
ミハル・ゼヴラコフ(アンデルレヒト:BEL)
マルチン・バシュツィンスキ(ヴィスラ・クラコフ)
セヴェリン・ガンチャルチク(メタリスト・ハルキフ:UKR)
マリウシュ・レワンドウスキ(シャフタール・ドネツク:UKR)
ダリウシュ・ドゥドカ(ヴィスラ・クラコフ)

MF
ヤセク・クルジノヴェク(レヴァークーゼン:GER)
ミロスラフ・シムコヴィアク(トラブゾンシュポール:TUR)
ラドスラフ・ソボレウスキ(ヴィスラ・クラコフ)
エウゼビウシュ・スモラレク(ドルトムント:GER)
カミル・コソウスキ(サウザンプトン:ENG)
アルカディアシュ・ラドムスキ(オーストリア・ウィーン:AUT)
セバスティアン・ミラ(オーストリア・ウィーン:AUT)
ダミアン・ゴラウスキ(FKモスクワ:RUS)
ピオトル・ギザ(クラコヴィア)

FW
マチエイ・ズラウスキ(セルティック:SCO)
グジェゴシュ・ラシャク(サウザンプトン:ENG)
パヴェル・ブロゼク(ヴィスラ・クラコフ)
イレネウシュ・イェレン(ヴィスラ・プロック)


■ 基本フォーメーション 4-4-2(八百屋スタメン予想)


   フランコフスキ      ズラフスキ



クルジノベク             スモラレク



     ソボレフスキ    シムコビアク


ゼブラコフ    バク    ヨブ   バシュチンスキ    


             ボルツ 
◎ カウンター戦術を確かなものにしているのは、FWの決定力。堅守+カウンターでグループリーグ突破を狙う

 02大会に続き2年連続のW杯出場。前回大会は良い所なくグループリーグで敗退して行った為、今回は雪辱を果たしたいところだ。
 欧州予選は、イングランドと同組。そのイングランドには2敗したものの、他を全勝で駆け上がり、グループ2位組の中でプレーオフ免除で予選突破を決めている。
 ポーランドの特徴はその攻撃力にある。欧州予選の27得点は1位のイングランドより何と10点も多い。まあ、得点の内容は殆ど弱小国から荒稼ぎしたもので正確に実力を測ることは出来ないが、伝統の堅守に加えて、ついに決定力のあるFWが育ってきたことが、古豪ポーランドの復活に大きく貢献している。
 日本人にはお馴染みのズラフスキ(セルティック)やフランコフスキ(ウォルバーハンプトン:ENG2部)が予選で7得点ずつの活躍。またカウンターの担い手はクルジノベク(レバークーゼン)。左サイドからの正確なクロスは、クラブチームでもお馴染みだ。
 現実的な目標としては、2位通過。コスタリカやエクアドルもどちらかといえば、攻撃的なチームなだけに如何に失点を抑えるかが、2位通過へのポイントになりそうだ。
 古豪ポーランド復活なるか。華麗なカウンターに注目だ。
 


COSTA RIKA -2大会連続3回目-
■ FIFAランキング  26位
■ W杯予選成績  北中米カリブ海地区 3位 (5勝 4敗 1分 / 15得点 14失点)
■ 平均年齢  26.1歳
■ 大会登録メンバー
GK
ワルディ・アルファロ(アラフエレンセ)
ホセ・ポラス(デポルティーボ・サプリサ)
アルバロ・メセン(エレディアノ)

DF
ヒルベルト・マルティネス(ブレッシャ:ITA)
ルイス・マリン(アラフエレンセ)
ミカエル・ロドリゲス(アラフエレンセ)
ハロルド・ウォレス(アラフエレンセ)
ヘルビス・ドルモンド(デポルティーボ・サプリサ)
ダグラス・セケイラ(レアル・ソルトレイク:USA)
レオナルド・ゴンサレス(エレディアノ)
ミカエル・ウマーニャ(ブルハス)
ガブリエル・バディーリャ(デポルティーボ・サプリサ)

MF
カルロス・エルナンデス(アラフエレンセ)
ワルテル・センテノ(デポルティーボ・サプリサ)
クリスティアン・ボラーニョス(デポルティーボ・サプリサ)
ランダル・アソフェイファ(デポルティーボ・サプリサ)
マウリシオ・ソリス(コムニカシオネス:GUA)
ダニー・フォンセカ(カルタヒネス)

FW
ロナルド・ゴメス(デポルティーボ・サプリサ)
アルバロ・サボリオ(デポルティーボ・サプリサ)
ビクトル・ヌニェス(カルタヒネス)
クルト・ベルナルド(プンタレナス)
パウロ・ワンチョペ(エレディアノ)

■ 基本フォーメーション 3-3-2-2(八百屋スタメン予想)

     ワンチョペ      ゴメス


     センティーノ    エルナンデス


ゴンサレス     ソリス     ウォレス


  マルティネス  マリン   ドラモンド


           ボラース 

◎ 初戦でW杯の雰囲気を掴み、2戦目以降は必勝体制で

 昨年トヨタカップで来日した、アメリカ大陸王者「デポルディポ・サプリサ」のメンバーや国内の有力クラブのメンバーが多いコスタリカ。2大会連続でのW杯出場になる。
 しかし、北中米地区の3位突破チームがサプライズを起こした実績は過去にゼロ。やはり、アメリカとメキシコが実力的に抜けており、その他のチームはやや実力が落ちるのが現状だ。予選成績も、得点同様に失点しており、守備については多くの問題を抱えている。フォーメーションも3-3-2-2としたが、ウイングバックの2人はDF登録のため、実質5-3-2のような形で守備的に望んでくる可能性も高い。
 コスタリカの特徴は短いパスをつなぐスタイルのサッカーで攻撃的。しかしそのスタイルがドイツに通用するレベルにあるかどうかは疑問だ。FWには前回も活躍を期待されたワンチョペが今回こそはと雪辱に燃えているだろう。
 コスタリカとしては初戦がドイツ戦なため、最初は負けても良いのでW杯の雰囲気を掴んでもらい、2戦目以降に全てを賭けてもらいたい。
 今年こそはのサプライズがあるのか。攻撃力に注目だ。



ECUADOR -2大会連続2回目-
■ FIFAランキング  39位
■ W杯予選成績  南米地区 3位(8勝 6敗 4分 / 23得点 19失点)
■ 平均年齢  26.4歳
■ 大会登録メンバー
GK   エドウィン ビジャフエルテ デポルティボ・キト    
GK   クリスティアン モラ LDUキト    
GK   ダミアン ランサ アウカス    
DF   イバン ウルタード アルアラビ(QTR)    
DF   ジョバンニ エスピノサ LDUキト    
DF   パウル アンブロッシ LDUキト    
DF   ウリセス デラクルス アストン・ビラ(ENG)  
DF   ネイセル レアスコ LDUキト    
DF   ホルヘ グアグア エル・ナシオナル    
DF   ホセ ルイス ペルラサ オルメド    
MF   マルロン アジョビ デポルティボ・キト    
MF   エドウィン テノリオ バルセロナ    
MF   エディソン メンデス LDUキト    
MF   パトリシオ ウルティア LDUキト    
MF   クリスティアン ララ エル・ナシオナル    
MF   セグンド カスティージョ エル・ナシオナル    
MF   ルイス アントニオ バレンシア レクレアティボ・ウエルバ(ESP)    
MF   ルイス フェルナンド サリタマ デポルティボ・キト    
FW   クリスティアン ベニテス エル・ナシオナル    
FW   フェリクス ボルハ エル・ナシオナル    
FW   カルロス テノリオ アルサード(QTR)    
FW   アグスティン デルガド LDUキト    
FW   イバン カビエデス アルヘンティノス・ジュニアーズ(ARG)

■ 基本フォーメーション 4-4-2(八百屋スタメン予想)

      デルガド     C・テノリオ


  メンデス             ヴァレンシア


      アジョビ     E・テノリオ 


アンブロッシ エスピノーサ ウルタード デ・ラ・クルス


          ヴィジャフエルテ
 
◎ 南米3位の実績を他所に低い評価のわけ。予選突破で低評価の払拭を。

 あの強豪ひしめく南米予選を3位で通過してきたエクアドル。しかし、専門家のエクアドル評価は思いのほか低い。その理由は、「ホームでの大きなアドバンテージ」にある。
 エクアドルの首都でもあり、ホームのスタジアムがある「キト」という都市は、標高3000mに位置している。これは富士山で言えば7合目~8合目に位置する高所。これは、生来住み着いてるエクアドルの選手には普通の環境だが、アウェーでやってくるチームにとっては、大きな問題となる。
 それは標高がもたら空気中の酸素濃度。標高が高ければ当然酸素は薄くなり、それは運動機能に大きな影響を及ぼすのだ。
 実際、ブラジルが南米予選で2敗しているうちの1敗は、エクアドルのホームで0-1で敗れている。(もう1試合はアルゼンチンにアウェーで3-1で敗れた)
 このホームのアドバンテージをフルに活かしたエクアドルが3位で予選通過した。だから、エクアドルの実力はホンモノではない、というのが大筋の見方だ。
 実際、アウェーの星勘定は、1勝6敗2分。アウェーでの弱さが際立っている。
 では、エクアドルは取るに足らないチームかと言えば…そうでもないかもしれない。
 欧州でプレーしているのは、デ・ラ・クルス(アストン・ヴィラ)くらいだが、FWのデルガドはエクアドルを支える超ベテランFW。ヘディングを初めとする得点能力の高さは折り紙つきだ。
 また、このチームの隠れた注目プレイヤーは、ヴァレンシアと言うRSH。若干二十歳ながら、南米予選で7試合3ゴールを上げたエクアドルの注目株である。今回結果を出せば、欧州のクラブは間違いなく彼を獲りに来るだろう。得点力やチャンスメイクに期待したい。
 残念ながら守備に大きな特徴を見出せないエクアドル。性格としては攻撃的なチームといえるだろう。サイドからの崩しにデルガドのヘッド。やや単調とも言える彼らのプレースタイルが、どこまでW杯で通用するか。
 内弁慶といわれないためにも、グループ2位での予選突破を目標に頑張って欲しい。


ホスト国ドイツが入るグループAは、1強3弱の構図。ドイツの次はどこか、がもっぱら焦点となっている。メンバーや近年の実績では、ポーランドが頭一つ抜けているが、どのチームも攻撃的な性格が強く、打ち合いになれば乱戦も必至の情勢だ。それはホスト国のドイツも変わらない。
 派手なサッカーが見られそうなグループA。得点シーンを多く見たい方にはお勧めのグループと言って差し支えないだろう。


次回は、イングランド・スウェーデンが同居するグループBを展望します。
ルーニーは果たして間に合うのか、セリエAのシーズン最後は絶不調だったイブラヒモビッチは大会までにコンディションを戻せるのか。その間隙をつく伏兵チームは現れるのか。
現在のレポートも交えながら、検証していこうと思います。 
[PR]

by 5aday | 2006-05-21 23:36 | FIFA Worldcup 2006


<< 八百屋のひとりごつ:最近気にな...      食と健康(野菜・果物・その他食... >>