2006年 04月 07日
サッカー:UEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメントベスト8 2ndRgリビュー#1
 あわやイタリア勢全滅か!!の大惨事も予想されたCLベスト8の2ndRg。ついにベスト4が出揃った。意外や意外、自分が酷評していたあのチームが残り…波乱の試合展開を早速チェックしていこう。

○ ACミラン 3 - 1 リヨン ● at サン・シーロ
Agregate ○ ACミラン 3 - 1 リヨン ●
得点者:インザーギ('25 '88) ディアッラ('31) シェフチェンコ('93)
警告:ガットゥーゾ(b) インザーギ(b) セルジーニョ(b) マネディーニ(b)
交代:'24 コスタクルタ(→スタム) '71カリュウ(→フレッヂ) '71アンブロジーニ(→ビルロ) '78マルディーニ(→ガットゥーゾ) '83ルベイエール(→ゴブ) 
Man of the Match:インザーギ
備考:

 まさに死闘。両チーム譲れないプライドをかけての激突だった。
 ホームミランは昨年の決勝の大逆転負けの借りを返す必要がある。去年の屈辱を晴らすには今年の優勝以外ありえないのだ。アンチェロッティ監督のビックイヤー宣言やセリエA前節の主力温存(結果レッチェに1-0で敗北)で、勝ちを掴みに行く。
 一方のリヨンは2年連続ベスト8の汚名を返上すべく、こちらもモチベーションは高い。ジュニーニョが先発に戻り、チアゴはサスペンションだが自慢の攻撃陣がミランのDF陣にどう立ち向かうか、注目だった。

 しかし、試合はホームミランに暗雲が立ち込める展開になる。
 前半24分、この日ようやく復帰した右SBのスタムがなんと試合中に故障し、コスタクルタと緊急交代。磐石と思われたDFラインに暗雲が立ち込め、これで右サイドからの攻め上がりが期待できなくなる。
 しかし、この男がやってくれた!!絶好調フィリッポ・インザーギ!!インザーギが素早くマークを外したのと同時にセードルフが技ありクロス。インザーギがヘッドで押し込み、サン・シーロは割れんばかりの歓声につつまれる。これでこのままミランが押して行くかに思われた。
 だが、リヨンもこの日ばかりは負けられない。前半31分。脅威のジュニーニョの無回転フリーキックがミランのゴール前に炸裂。弾道を予測できないミラン陣営はパニックに陥り、こぼれ球をディアッラがヘッドで押し込みなんと同点!!ミランのリードはわずか7分しか持たなかった。
 その後、リヨンは素晴らしいペースで試合をコントロール。攻めているのはミランだったが、ゴールを割らせる雰囲気は無い。そのまま試合時間は刻々と過ぎていく。このままならな1-1ながらアウェーゴールでリヨンがベスト4だ。
 そして、アンチェロッティ監督は策を打った。自分はジラルディーノを投入して3トップにするかと安易に考えていたが流石名将。そんなことはしなかった。疲労の色の濃いピルロに替えてアンブロジーニ、イエローが1枚出ていて危険だったガットゥーゾに替えてマルディーニを投入。バランスを崩すことなく経験豊富なベテランを投入して奇跡にかけた。
 その奇跡に応えたのが、またしてもこの男インザーギ!!後半43分(!!)シェフチェンコのシュートを必死にクペが弾いたが、そのこぼれ球をまたしてもインザーギが押し込み、長く苦しんだミランについに勝ち越しのゴールを与えるのであった。
 リヨンも、後半も何度か決定機を迎えたがゴールが出来ず、結局終了間際には集中を欠いたDF陣のパスミスをチェンコにさらわれて3失点目。ミランがベスト4に駒を進めた。
 それにしても恐るべきインザーギ。画面に映ることは90分を通して決して多くなかった。多くなかったが決定的な仕事を確実にこなし、完全復活を更に印象付けた。これが本当のセンターフォワード!!往年のバティストゥータを髣髴とさせる活躍で恐らく評価点は8.5ぐらいついているだろう。彼がミランを救ったのだ。もちろん、Man of the Matchは彼を推薦したい。
リヨンはまたしてもベスト8で姿を消した。しかし、殆どリヨンが掴みかけていたベスト4の実力は、だれも否定することが出来ない強さを物語っていた。突出した能力を持つ選手がいなくとも、組織力でここまで素晴らしいチームがつくまれることを体現したリヨンは、これからの各国の中堅チームのお手本とも言うべき存在だ。ミランを地獄に落としかけたリヨンの戦いぶりは、見事といわざるを得ない。


○ ヒジャレアル 1 - 0 インテル ● at エル・マドリガル
Agregate ○ ビジャレアル 2 - 2 インテル ●
(アウェーゴールでビジャレアルがベスト4進出)
得点者:アルアバレナ('58)
警告:タッキナルディ(b) フィーゴ(b) マルティンス(b) ヴィエラ(b)
交代:'56マルティンス(→レコバ) '75ミハイロビッチ(→フィーゴ) '78ホシコ(→ソリン) '78フランコ(→ホセ・マリ) '85クルス(→ヴェロン) '90カジェーハ(→フォルラン)
Man of the Match:リケルメ
備考:ヴィエラがサスペンションで次節出場停止

 ベスト8の中で一番DF陣が脆弱だと酷評したビジャレアル。しかし、そのヒジャレアルがインテルを完封して後半13分の虎の子1点を守り通してベスト4に名乗りを上げる「波乱」が待ち受けていた。
 インテルはフィーゴ、レコバが間に合いほぼベストの布陣で臨むが、DFラインが、サネッティ マテラッツィ サムエル コルドバとやや守備的な布陣。一方ビジャレアルはイタリアを知る男、タッキナルディをボランチに据えた以外は前回と変わらない陣容で臨んだ。
 攻めこそが信条のビジャレアルは、前半から攻撃を仕掛ける。ゴールこそ奪えないもののリケルメにボールを集めリケルメもその期待に応える。
 そして後半13分。ついに試合が動く。
 リケルメが軽くポイントをずらして蹴ったフリーキックにアルアバレナが素早く反応。ポイントをずらしたことでインテルの対応が一歩遅れたのが吉凶の分かれ目となった。アルアバレナが頭でちょこんと合わせてコースを変え、これがインテルゴールへと吸い込まれていく。まさに1ndRgのアウェーゴールの恐ろしさがここで炸裂。トータル2-2ながらアウェーゴールでビジャレアルがリードに。
 今回、ビジャレアルはアドリアーノとスタンコビッチには必要なまでにマークを貼り付けた。1stRgでいやと言うほど実力を見せ付けられたこの二人を徹底マーク。今日(こんにち)のインテルの象徴とも言える二人を押さえ込まれ、また故障明けのフィーゴもぱっとせず、この日はゴールが遠かったインテルは結局、アウェーでゴールが奪えないまま、ビジャレアルに屈してしまったのだった。
 マンチーニが標榜する攻撃サッカーも、システム的には個々の能力にゆだねる部分が大きい。今日のように、キーマンを封じられたり、故障明けでコンディションがいまいちだと、攻撃に迫力を欠くことがあたらめて浮き彫りとなった試合だった。特に、故障明けのフィーゴに加えて、左SBをウォメでなくコルドバをすえたこと。ウォメが守備に難があり、ここでマテラッツィをチョイスしたのは間違いではない。しかし、フィーゴ故障明けでコンディションが十分ではないところに、スタンコビッチを封じ込められると、両サイドからの攻撃が組み立てられない。これまでのCLでのインテルの得点パターンの殆どが両サイドからのセンタリングから生まれていることからも、これをフォローする両SBのヘルプが不可欠だったと思われる。敢えて、守勢に回ってしまったインテル。敗北の理由は個々にあると思われる。もし、前回同様攻撃的に行けば、ここまで一方的に押し込まれることも無かったであろう。
 Man of the Matchはまちがいなくリケルメ。得点に絡んだフリーキックだけでなく、ソリンへのクロス、フォルランへのスルー、そして圧巻はクロスと見せかけた左の殆ど角度の無いところからのシュート!!これはトルドのこれまた奇跡的なセーブで得点にならなかったが、きっちり枠は捉えていたし、これがリケルメワールドだ!!といわんばかりのリケルメのサッカーは、見るもの全てを魅了しただろう。夜中に絶叫とため息を連発していたのはけっしておいらだけではないはずだ。

イタリア勢は辛うじて、ミランが残り、インテルはまさかの敗退となった。4/6に行われた残り2試合はまた次回に振り返りたい。
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by 5aday | 2006-04-07 11:01 | UEFA CL 05-06


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